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岡田和穂(おかだかずほ):空の音色〜名古屋・浜松ヴァイオリン教室:チェロ教室

私 岡田のプロフィールは、サイドバー上部の「プロフィール」欄を ご覧ください。
教室は、主に平日が名古屋教室、週末が浜松教室、のペースで、 発表会などの企画は 名古屋と浜松を合同で行っています。
また、2018年春から 浜松三ケ日教室では、チェロ教室クローバーも 始動! 只今、生徒さん募集中!
連絡先手紙:メールは、こちら「メッセージを送る」をお使いください。岡田に直接つながります。
電話電話:一旦メールを頂きましたら、ご返信にてお伝えさせていただきます。(非通知設定の 電話は受話致しませんので、ご了承下さい。)
住所家:「三ケ日教室」浜松市北区三ケ日町鵺代/電車天竜浜名湖線「奥浜名湖」駅下車徒歩
   「名古屋教室」名古屋市千種区/本山駅徒歩1分 
尚、浜松教室は、浜松から車でお越しの場合は、
三ケ日インターからは10分、 高速を使われない場合は、三方原から30分。
豊橋方面からは、多米峠から20分。 豊川インターからは、本坂峠を経由し20分。

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◆名古屋本山(東山線本山駅徒歩1分)の「名古屋教室」も、浜松教室同様こちらから、お問合せ下さいませ。◆

ホームパーティー、披露宴、記念式典、などでの演奏も賜っております。
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124.師の演奏会を前に…

カテゴリー │聴衆日記

来る6月5日日曜日に、わたしの尊敬してやまない
北垣紀子先生のリサイタルがあります。





リサイタル、とはいえ日曜日の昼のティータイムのコンサートですので
設定的にはお得なコンサート、という出で立ちですが、
内容的にはその扱いが勿体ないほどのものだと思います。
そもそも、二千円、という値段が。。。え;、マジ?、という感じです。
それでも一方で、そこはラッキーと、浜松教室の皆さんにもご案内させて頂きました。
浜松から名古屋まで演奏会に来るのは、やはり大変ですから、
むしろ、本当にありがたいチャンスだったかもしれませんね。
一昨日、ホールさんに尋ねてみたら残数20枚、そして先生の処も15枚、と
さすがの私も焦りまくりの数字で、
ま、出足の遅い私らしい経過でしたが、先生のおかげで無事必要分が入手できました。


さて、これを機に 今日は、今の自分に至る、この約15年の自分のヴァイオリン話でも
書いてみようかと思います。

わたしが北垣先生に出会ったのは大学二年生の時。
一年生の時についていた小林久子先生がフランスに行かれてしまい、
ある日大学の事務局から電話。
「瀬戸瑤子先生と北垣紀子先生が代わりに来年度からお見えになりますが、
どちらの先生が良いとか、希望はありますか?」とのこと。

当時、既に自分のヴァイオリンの才能にはほとほと諦めの境地だったので
(音大生になったこと自体が、マグレ中の不幸 とも感じているくらいの状況だった)
正直、自分がこうである以上どちらの先生でも同じだろうな、と思い
「お任せ致します」の一言で、それは終わりだった。

結果的に、おかげで?北垣先生のレッスンが、卒業するまで続けられた。
レッスン室に入ると、必ずと言っていいほど 前の子が泣いている。
北垣先生を音高で知っていた友人たちは、「先生怖いでしょー。笑」と
お決まりの挨拶のように言うし。。。

でも、ただ「怖い」という一言にするのは、ちょっと外れていて
むしろ、彼女の叱咤で涙が出るというのは「私が出来ないから駄目なんだ」という “自己嫌悪的悔しさ”に、その場で変換される結果だと思う。
そして先生は、ひたむきなほど 常に真剣勝負なのだ。だらだらとする雰囲気は一切ない。
怒る、と 真面目、が 厳しいという紙の裏表、というのか…。
だから、真面目な人しか、さめざめとは泣いていないのである。
それはもう、先生と生徒の絵に描いたような、クラーい…第三者がそこに居合わせるのは気まずいような空気が流れている。(…懐かしい。が、私は二度とご免だ。爆)
で、故に…。自分の実力に見切りが付いていた、不真面目とも言うべき自分は、珍しく、彼女のレッスンで泣くことが ほぼ、無い生徒だった。。。(二回くらいはあったと思うが…)
自己嫌悪になるような、望みや欲自体が、自分の中にない。だから、涙の出ようもないのである。
言われることはもっともなことばかりだし、下手すれば初めて知ることばかり。
「あぁ、そうか…そうですよね、ハイ。」で終わり。涙なし。笑;
本人にしてみれば諦めの境地なのだから仕方ないのだが、
先生からしてみれば、本当に基本的な処で手に負えない、教え甲斐のない生徒だったと思う。…;
なにしろ、鬼の北垣、の裏名を取るほどの?先生に対し
「先生、今週あまり練習してこなかったので、資料館の展覧会でも、観に行きませんか?」
なんて言って、それでも先生は「あら、いいわよ」なんて
サクサクとレッスン室を一緒に出て下さる。
小さな大学の芸術資料館で展示されているいくつもの美術品を
本来ならレッスン時間という時に、先生とのんびり眺めながら歩いた楽しさは、
劣等生にしか許されない密かな喜びだったかも。。。笑
もっとも、その頃…大学4年だたと思う…には先生も、私がオケで真面目にヴァイオリンを弾き続ける輩になるとはもう 思っていなかっただろうが…。

レッスンの開始後 約3ヶ月、前期試験の直前まで徹底的にデダーシェを身につける訓練だった。
毎回毎回、レッスンのたびに、ガジガジゴリゴリザリザリと、擦弦しまくるレッスンが、3ヶ月!!
飲み込みが悪かったのも確かだと思うが、
困ったもので、デダーシェという、基本的な言葉すら
私はそれまで聴いたこともなかったのだから、いったい…という具合。
まぁ、それも私の音楽経歴の上での運命だったのだから、今思えば仕方ない。
右手の持ち方、腕の動かし方、左手の小指、
今まで何を習って来ていたのかと思うほど、全てを変えることに始まり、
それは、ある日突然レッスン中に、自分の楽器の「鳴り」が変わる、という結果をおこして
まさしく 自分の音に おったまげた!笑
ほぉ。。。ヴァイオリンて、こんな音がするものなのか、と…。
思わず自分の楽器を、F字孔の辺りからまじまじと眺めてしまうような状況。

物憶えは悪い、のんびり気質なのにいつまでも道草ばかりをする、という私には、
先生もさぞイライラされたことだろう…。
こちらとしても、まぁ、先生の弟子になるのが遅かったな、もっと早く出会えていたらな、くらいで
自分のヴァイオリンの実力には、既に一年生の頃からしっかり諦めモードに浸かっていた。
大学の成績も何だか出来レースのような観が自分には否めなかったし、
ま、この程度なら、大学を出てぼちぼちやったら、いずれは続かないだろうし、辞めるんだろうな、程度に自覚していた。

でも、彼女に初めて習ったことは、本当に沢山あった。
コンチェルトなどの、試験曲のピアノ合わせも、懐かしい。
それまで発表会で弾く時には、いつでも、ヴァイオリニストは勝手に弾く、
ピアニストがそれに合わせるのが当然、との環境にいたし
それまで習っていた先生も、生徒に正確に弾くことを求められなかったせいもあろうが
合わせの時にはピアニストに要求するだけだった。
が、北垣先生は違った。
今にして思えば、当然 のことなのだが、ピアニストにはほぼいつも、要求は無い。
あったとしても、音色の指示とか、タイミング待ちの読み方くらい。
怒られるのはこっち。笑 「勝手に弾いちゃだめでしょ!」と。
正しい。。。オケと共演するのだから、オケと一緒に弾けなきゃいけないんだ、と
そんなことも、彼女から初めて習うことだった。

更には、立ち方、楽器のメンテ、
あるいは「実際に真剣に声に出して歌ってみる」という大事な方法に至るまで、
今の私の演奏のベースとなっているもの全てが、彼女あってのものだと思う程
それは本当に 基本的な、
そして基本的なものだからこそ
私自身の魂という個人を殺さない、素晴らしいものだった。
そして勿論、上がり症だった自分が人前で弾く時の恐怖も 付随的に減った。
ちゃんとやっていれば、ちゃんと弾けるんだな、という
当たり前のような…しかし誰にでも教えられるわけではない凄いことを、
彼女に付いている間にやっと、発見したのだ。笑

以来、、、生徒さんを教えるにあたっては
私は彼女から得ることのできたものを、最大限に伝えたい、と思うようになった。

けれども そのためには、まず自分がそれなりのところに達しなくてはならず
先に書いたように、自分の実力に見切りをつけていた位な状況だから
(それでもこの頃、北垣先生の3年間のお陰で「最低限」は弾ける程度に、成長してはいたと思う。)
名目だけでもオケに入る、という手段を持ってして
それならお金を得るなりに弾けないとマズイ、という現実の助け
あるいは、指揮者の演奏改善指示に、毎回指揮者が違うにも拘らず、毎回共通項があるのじゃないか?という疑問がなければ
自分にはやはり、無理だったかもしれない。笑
そして、結果オーライではあったのだが
反面 今更この歳で、しかもお金を稼ぎながら、情けない、という気持ちと闘いつつ
20代も半ばになって、 北垣先生から教えられた全ての技法上の記憶と
このままじゃ自分なんて使いものにならないから、一からやり直すべきだ、という気概一つで
セブシックほぼ全巻、シェラディーク、カイザー、クロイツェル、…
今まで中途半端なまま放置していたものから
初めて向き合うもの、自分で探してきたものまで、思いつくもの全てを個人的にやり直した。
でもそれは、素晴らしい発見、の連続だった。。。

もっと、速くから これに気付けば、とも思ったが
尻に火がつかない、あるいは ネジを巻くにはきっかけがなかった自分には
これもまた、運命のタイミングなのだろう、と
「大器晩成」という言葉だけ、とりあえずくじけず頑張り続けるために
都合のよい座右の銘にして(笑)
徹底的に 一から見直しをした。
音程、構え方、運弓。ぜ・ん・ぶ…。

色々な名教授の本を惜しまず買って、重い本を何処へも持ち歩き
書いてあることを可能な限り、弾きながら整理した。
そう…平均律についての疑問を持ち始め、純正律にこだわりを持ち始めたのも、この頃。
自分の手に一番合う楽器と身体の配置を見つけ出し、
一生出来ないだろうと思っていた技巧曲にも「弾けないものがそもそもこの世に存在しているはずが無い」「誰かに弾けて私に弾けない肉体的根拠が無い」と無理やり考えて挑戦し、
やらなかったコンチェルトにも、オケ仕事の縁がある度に 出来るだけ期間中に譜読みを仕上げるつもりでソロ部に一通り目を通した。

気付くのが遅かった自分の、30駆け込みぎりぎりタイミングでの
そしてヴァイオリン開始から約15年にして初めての、楽器との真面目な向き合いだった。
30までに何とかしたい、と とにかく、意識を崩さず、やってみた。
崩さず、というより 初めて手応えを感じて、練習するのが面白い、
そして意義あることなのだ、とやっと理解できた。

…そして、その後も自分なりに ひたひたと続けているのが
カール・フレッシュのスケールと、バッハの無伴奏、パガニーニのカプリス そして
ボウイング、なのだ。。。
彼女から教えてもらった全てが、自分にとってこの十年、そこに帰結している。

彼女の音楽性と、私の音楽性は、当然ながら異なる。
でも、彼女の演奏の安定感と、無駄が無いからこその効果的な奏法は
努力出来る人には誰にでも、どんな曲にも適応出来る、…弾けない曲がない、とさせてくれる
とても有効なものだと、今でも信じている。

北垣紀子先生に出会わなかったら、今 私はもうとうに ヴァイオリンは弾いていなかったと思う。
たった3年間、教えを仰いだだけだったけれども
その3年間の濃さは、言うまでもなく
その後の 自己鍛錬の15年を、記憶の中での彼女の教授がずっと私を支えてくれていた。
ヴァイオリンに対して 弱腰で 全くやる気の無かった私を
時が 彼女の技術と溶け合って、ここまでの…まだここまでの…私に変えてくれた。
そして、この今の私のヴァイオリンとの関係があるからこそ 
生徒さんたちに、お客さんたちに、同僚たちに 出会えた。
…そう、私が教えているのは、北垣先生の孫弟子なんだね…♪
彼女の名に、存在に、恥じないよう、大事にきちんと「ヴァイオリンの音」を伝えていきたいと思う。


大学4年生の前期試験で弾いた、ドヴォルザークのコンチェルト…
1楽章の第二テーマの美しさが、彼女の音の記憶と 未だに重なる。
少しもの哀しい、東欧の秋の足音…黄金色の枯葉が舞い散る秋風。
グレーの雲、すぐに雪が降り出しそうな寒気。
中世のグレーの石の街並みと 黄金色の木の葉を落とす、すこし寂しい一陣の秋の風、
そして、そこに存る人々の地味なほどに真面目で温かな営み、
だからこそ生まれる情熱的なほどの実直な歌声。。。
私にとっての北垣先生の音は、そこに あるような気がする。









 

097.邦楽器の演奏会

カテゴリー │聴衆日記

連日非常に暑い夏ですが
皆さんお元気でお過ごしでしょうか。


さて、先日常滑のINAXライブミュージアムで、
尺八と二十五弦のお筝の演奏会を聴いてきました。
尺八は岩田卓也さん、お琴は中井智弥さん。「URANUS」というアンサンブルです。

会場は世界のタイル館という建物。
チャペルのようなガラス張りのロビー。
吹き抜けなので音響はよく、
PAはかるく効かせる程度でよかったのでは?と思うほどでした。
150席くらいあったと思いますが満席。
夏の夕べ、地元のお客さまが沢山みえていて、大変な盛況でした。





彼らは長くユニットを組んでいるとのことで
今回のプログラムは
お筝の中井さんご自身が作曲されたものがメイン。
従って、とても現代的な内容でした。
ちんちん千鳥やとおりゃんせ~七夕、などよく知られた古風な楽曲や、
阿漕、など能をテーマにされたオリジナル曲なども
むしろ、今流行のフレーズやニュアンスが施され大変聴きやすいものでした。
25弦のお琴となると、チューニングや持ち運びも大変そうですが
ボディーが大きいがゆえの、豊かな表現力があり
時にハープのようであり、時に小さな竪琴のようでもありと、様々な音色を愉しませて頂きました。
お話される様子もとてもクール、冷静沈着で理性的な感じでしたが
演奏もまさに「共演」というものを冷静に捉えた好演だったと思います。
あえていえば、もう少しピッチを気にしてもらいたかったな…かなりの琴柱の移動があった中で、そんなのは贅沢な要求かな。笑

尺八の岩田さんは04年、長谷検校記念全国邦楽コンクールにおいて最年少で最優秀賞と文部科学大臣奨励賞を受賞。常滑市より表彰。世界芸術見本市(ニューヨーク)に日本代表として出演。シビウ国際舞台芸術祭(ルーマニア)スペシャルサンクス特別招待公演に出演。…
などなど…と、華やかなプロフィールの持ち主だけあり、
尺八の技術はとても安定したものと聴こえました。
中井さんの計算された冷静なプレイに対し、岩田さんの尺八は非常に饒舌で熱情的なニュアンス。
あんな共演関係をもてる巡り合いがあるということは、それだけで羨ましくなるほどです。
更にこのお二人は東海地方のご出身。
中井さんは三重県、岩田さんは愛知県。
こんな素晴らしい若い演奏家が東海地方の出身だなんて、なんだか、嬉しいことです。笑

何となく、邦楽というのは音色やニュアンスのイメージ上、西洋音楽的な”正確さ”というものとは
無縁の存在のような世界ではないのか、という既成概念がありましたし
むしろそうした中でこそ、日本の独特な古典的幽玄さというのが表現されるのではないかと考えていましたが、
必ずしもそうばかりでもない、ということを確認したばかりか、岩田さんの尺八は
いい加減な西洋楽器の演奏よりも、よほどピッチもリズムもかなり正確で
音色すらも、時にクラリネット、フルートまたはケーナ、など洋楽器的な音すら意図的に出されていることが感じられました。
そうした耳の良さと安定した技術の上に、若さと世代特有の情熱が気持ちよくリフレインされている演奏でした。
あと十年して彼らがどんなサウンドを提供する、したいと思う演奏家になるのか、彼らの柔らかな感性の懐を感じただけにとても愉しみです。





写真は休憩時間に。
筝の中井さんだけはチューニングの関係で休憩時間が短くなるのでしょう。
これはオーケストラの中のハープ奏者やチェンバロ奏者と同じ運命ですね。。。(^^;)


時に、最近では学校教育の現場などでも取りざたされるようにはなってきている邦楽文化ですが、
実際にプロの演奏を聴きに行く機会などはやはりあまり無いと思います。

紋付袴の世界にいきなり飛び込むのは、ちょっと怖い…という方には
是非このような若い方の演奏を、オススメしたいなと思いました。
やはり、わたしたちは日本人ですから
かじってみれば なるほど、すんなりと共鳴する部分が必ずあることと思います。

クラシックも邦楽の世界の想いはおそらく他人事ではなく
どうしたらこの音楽の世界の素晴らしさを、現代的な言語の上で伝えられるのか、という課題を
わたしたちは抱えざるを得ない。
本当は本格的な純クラシック、純邦楽をして伝えたいのだが
これまでの演奏内容やシステムではお客さんが遠のいていくばかり、
それが叶う環境になるまでは、客入り数の底上げにわが身を奉仕すべし、という方法論的な想いは
おそらく真剣に取り組んだ時間の長いプロ奏者こそ、こうした翻訳的仕事に対して
ある意味痛いほどの辛さや不安、時には焦燥も あるのではないかと思う。
特に若いうちはよいが、歳を重ねていくとそういうものも深くなってくる。。。

事実、一昔前の時代がかった師弟関係の成り立った世代では、このような現代的な解釈や演奏会の方式は、さまざまな理由から真っ向あからさまに否定されていたわけで
今の50代あたりから、そして彼らや自分の世代というのは、
その直前の奏者たちの一途な努力から伝わってきた本来の志向と
また、わかり易いものなら受ける、というだけの商業主義的なものとはどこかできちんと一線を引きながら、プロとしての技術や懐の深さを盾にして闘いながら成り立っていると思うと、
凄いことだな、とその舞台裏の時間の変遷にも想いは馳せる。。。
明るく簡単そうな 所謂やさしくてわかり易い演奏会にこそ
確実な基礎力・技術力、そしてハートの温かさという プロでなくては出来ない課題結果が表れる。
自分も時にこうした彼らの存在を思いながら、たんねんな仕事をしていきたいと思う。


ご参考までに、このURANUSさんの演奏をYOUTUBEで見つけましたので
どうぞ指輪キラキラ


たしか、この最後の曲は「砧(きぬた)」という、当日も演奏して頂いた楽曲だったと思います。
京に用があって発ったまま、しかし何年も帰らぬその夫を思いながら、半狂乱になって砧を叩く妻の情景だそうです。。。うにゃ~、女がやるより女の怖さが熱く出てますね。笑(…つまり、逆の事態が起きたらたら男の方が怖いってことかも?爆)


最後のさいごに、おまけプレゼント
ツバメのトイレだそうで、会場の出入り口にありました。
INAXライブミュージアム
陶器やさんの会場だけあって、こんなところもお洒落(笑)
焼き物の複合ワールド的な施設で素敵な場所でした。夏休みに一度行かれてみては如何でしょうか?
一日のんびりたっぷり遊べると思います。







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クローバー岡田和穂(おかだかずほ):空の音色〜三ケ日・名古屋ヴァイオリン教室クローバー

私岡田のプロフィールは、サイドバー上部の「プロフィール」欄をご覧ください。
連絡先:メールは、こちら手紙メッセージを送る」をお使いください。岡田に直接つながります。
電話:一旦メールを頂きましたら、ご返信にてお伝えさせていただきます。(非通知設定の電話は受話致しませんので、ご了承下さい。)
住所:浜松市北区三ケ日町鵺代
       電車天竜浜名湖線「奥浜名湖」駅下車徒歩
詳細はこちらもご覧下さい。
◆ ※名古屋市内自宅にても、賜ります。◆

パーティー、披露宴、記念式典、医療施設、学校などでの演奏も
賜っております。

詳細は♪演奏のご案内♪をご覧下さいませ。

ちょっと自宅で演奏してほしいのだけれど、
こんな予算内でどんなことが可能?、
どんな曲でも弾いてもらえますか?、
ピアノがない場所でも何か弾いてもらえますか?など、
初めてのことで、なにもわからない、という方も安心して
気になることがあれば、ご遠慮なく、即ご相談メールを下さい。
演奏歴20年クラスの音楽家の繋がりを持っておりますので、
演奏者に直接依頼できます分、お安い価格で賜れます。
ご予算に応じ、お客様の願いを形にするための
場に的確な「演奏とプログラミング」はもちろんのこと、
全てお任せ下されば長年の経験をもって
準備段階から会場スタッフの方とも連携し、各シチュエーションにふさわしい演奏を、確実な技術と素敵な選曲でお約束致します。
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087.ヒラリーの生チャイコン

カテゴリー │聴衆日記

昨晩、演奏会を聴きに行きました。
今年ホールへ足を運んだのはお正月の
ウィーンリングアンサンブルのニューイヤーコンサート以来だったので、
ちょっと間が開いていました。

しかし、このシーズンに演奏会というのでは
奏者も招へい側も、なかなか大変です。
湿気の多い日本では、貸与されているストラディヴァリなどは
弾かないように、と貸与側からお触れが出ている場合もありますから、
6月から夏場は、あまりいい演奏会は
期待できないシーズンでもあるのです。
日本での演奏会はやっぱり、秋から春、でしょうね。
ヨーロッパならヴァカンス先で、というのも楽しいでしょうけれど
老舗オケ本拠地のホールは、楽員のヴァカンスでカラになります。
何もやらない。。。笑

今回は、個人的にはヒラリー・ハーンのソロを聴いてみたかったんです。
この10年くらいずっと気になっていたヴァイオリニストだったので。
そこでなんとも突如、偶然にも招待券が入手できたので!!
ラッキー…ハート
ちゃんとおしゃれして、
友人と待ち合わせして。




指揮者はフィンランド出身のエサ=ペッカ・サロネン。
オケはイギリスの老舗、フィルハーモニア管弦楽団。
プログラムは
サロネンさん自作自演の「ヘリックス」、
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、
ベルリオーズの幻想交響曲。

思う処は本当にいろいろありましたが、…
こちらでは省略いたします。笑
個人的には数年前に聴いたフランス国立管の幻想交響曲の方が
かなりシビレました。

ヒラリーさんは、練習フェチなんだろうな~…と思う
演奏でした。
勿論、とても上手ですが
期待していたイメージとは、ちょっと違ってました。
歳をとったらムッターみたいになるかもしれないので、
まだわかりませんが。。。そう
女性の演奏家って、どんどん芸風が変わるものですから。。。
で、サロネンとオケが、とっても佳い仕事ぶりを発揮していました。

サロネンさん、とってもいい指揮者でした。
指揮の基本的なテクニックも、とても明瞭だったし。
そして何より、
ああいうのが、オケとの信頼関係、というのだろうな、と…
そういうものがちゃーんと聴こえてきました。
嘘はつけないんだよね。
けれども、なかなかそういう関係って、築けないのが現実。
わたしが以前居たオケでも
それはそれはもうその辺については至難の事態でしたから。
それが、何より一番大事なことであるにも関わらず。。。
まぁ、そこに至るには
お金があるかないか、という大前提が非情にもきてしまうので
世の中本当に、シビアです。
やっぱ、いいものを欲したら
最低限のお金はどうしても必要なものなんです。。。つくづく…↓
で、いいものを欲していないと、
人間ていつのまにか簡単に
ゆとりのなさが表出されてきて醜くなるか
”怠惰”に流されちゃうんです。やれやれ。


でも本当に、たまには、いいですよ。
贅沢をすること、とっても大事です。
クラシックのホールでのコンサートなんて、それを結構簡単に叶えてくれます。
気持ちのいいシートで、
ちゃんといい音響のホールで、
いい演奏を自分の視点で選んで聴く。
クラシックはやっぱりそれが正当派であり、王道だな、と
コンサートに行くたびに実感します。

あ、でも、行く前にちゃんと予習することと
お洒落することを忘れないでして下さいね。
予習なら、今はネットでいくらでも聴けます。
昨日も、あんなに有名どころのチャイコの協奏曲で
まだ一楽章しか終わっていないのに
拍手が入ってしまいました。
お洒落もまた、大事です。TPOというやつ。
非日常を愉しむ訳ですから、大人の洗練を。笑
(お客さんの服装というのは、奏者からは丸見えです…。)
そんな諸々、時によっては
地域文化レヴェル度”の物差しにもされてしまう出来事ですので、
やはり要注意ですよ。びっくり
特に、拍手のタイミングは、開演前に最低限押さえておきましょう。
あぁ、それから…
チラシを客席の下に放置して帰るのはやめましょう。
これは大人のマナーですね。。。オジサンに非常に多く見られる行為です。
電車の中に空き缶を置きっぱなしにして降りるのと同じです。
恥ずかしい。

今は何でも終始ゆるくゆるく、ラフにラフに、という時代ですが、
時には
気合いを入れてクラシックのコンサートに行く、ということも
何度かやってみれば、意外にもなかなか楽しいということに気付くと思います。
…これは、明らかに、大人の愉しみですね。笑
会場の椅子を立てば背筋にも気合いが入り、
開演して客席が暗くなれば、個人的な空間として解放されリラックスする。。。
このメリハリはなかなか日常では味わえない、素敵なものです。
時に背伸びな非日常は、進歩したい人間には、絶対に必要です。

デートにも、その非日常効果がかなり期待できます。
女性は何だかんだ言って、やっぱり贅沢が好きです。
男にそれを叶える力があるか、実はめっちゃくちゃ見ている。
現実的なところはどうしても、女にはあるものです。。。
ロマンティストな男性ほどまた、実はクラシック好きが多い。(^^)
もちろん、誘う側も誘われる側もちゃんと予習していなくてはいけませんが
二人で予習してから行ったら、すごーく盛り上がることでしょう。


佳い一晩でございました花束

あぁ、私も練習しなくっちゃ。


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